コート・ダジュール(フランス)

コート・ダジュール

フレンチ・リヴィエラとも呼ばれるコート・ダジュールは、アルプ・マリティーム県を中心に広がり、フランスの最南東にあってイタリアと国境を接している。地中海と山に抱かれたコート・ダジュールは、年間を通して陽光溢れる温暖な気候で、古くから"人生の喜びに満ちた土地柄"と呼ばれている。ニースやカンヌ、アンテイーブ、ジユアン.レ・パン、グラース、エズ、そしてメルカントウール国立公園が、日常生活の中に喜びや美学を求めることを信条とする人、美食やショッピング、カジノ、スポーツ、文化、自然を愛する人々を暖かく迎えてくれるはず。いつどの季節に訪れても、誰が訪れても、それぞれのバジェットにあった有意義な旅が楽しめるだろう。

魅惑のフレンチ・リヴィエラを巡る交通手段は列車が最適。海岸沿いに村々が点在し、その背後に主要駅がある。カンヌやニースは、コート.ダジユールの中でもつとも人気がある都市。それぞれ、パリからは約5時間40分で、マルセイユからは約2時間でアクセスできる。

1日目
カンヌ → グラース

カンヌは、その名を冠した国際映画祭の開催地として世界的に有名だ。カンヌ映画祭の代名詞ともいえるレッドカーペットを歩いたお気に入りの映画スターのカンヌでの足跡を辿ってみよう。

カンヌの魅力は映画やセレブに関連することだけではない。海岸沿いのクロワゼット通りやカジノで遊ぶのも楽しい。ボートで20分ほどでアクセスできるカンヌ湾に浮かぶ2つの島(レラン諸島)へ行き、旧市街(ル・シュケ)を散策したら、あっという間に時間が過ぎるだろう。

午後は、列車TERに乗って約20分のグラースヘと出かけよう。絵になる路地裏が魅力的な町グラースは、香水の町として世界的に知られている。ガリマール、フラゴナール、モリナールといった香水工場や国際香水博物館には必ず訪れたい。

2日目
カンヌ → アンティーフ

2日目はTERに乗ってカンヌからアンテイーブヘ(所要約8分)。2600年もの歴史を持つ城壁に囲まれた町アンティーフでは、グリマルディ城にあるピカソ美術館やマルシェを訪ねよう。アンテイーブから隣町のジュアン・レ・バンにつながるアンティーブ岬へ行くのも忘れずに。

岬には豪華な邸宅が点在し、世界でもっとも美しいホテル10選に数えられる伝説のオテル・デュ・キャップ・エデンロックがある。その後、ジャズフェスティバル(7月開催)で有名なジュアン・レ・パンへと行き、地元の人たちの華やいだ雰囲気に包まれて、白砂の浜でのんびりと過ごそう。

旅のヒント

時間的に余裕があれば、ぜひともアンティーフ(またはジュアン・レ・パン)からTERでわずか2分のビオットヘ行ってみたい。ヨーロッパ最大規模の海洋アトラクション、マリンランドがある。

3日目
アンテイーブ → ニース → マントン

アンテイーブからコート・ダジュールの中心都市ニースへはTERで16分。ここは芸術と歴史、文化と美食の町として知られるコスモポリタンな都市。

旧市街を散策して「天使の湾」と呼ばれる海岸沿いの遊歩道プロムナード.デ.ザングレをゆっくりと散歩し、南仏の太陽と海を満喫しよう(ニースの詳細はP23参照)。

その後、TERに乗ってモナコとイタリア国境の間にある芸術と歴史の町マントンヘ(所要約30分)。

素朴な漁村のような雰囲気の小さな町マントンの市街地には、港とビーチ、そしてとても美しい庭園の数々が点在する。レモン祭りは毎冬、ニースのカーニバルと同じ時期に行われる。

4日目
ニースから内陸の町へ

4日目は地中海から内陸山岳部へ。

ニースから列車トラン・デ・メルヴエイユでロヤ・ベヴェラ渓谷を通って抜群の景観を誇るルートを辿り、バロック建築の遺産のある中世の雰囲気を残すタンドヘ(所要約1時間40分)。

あるいは列車トラン・デ・ヒーニュに乗ってニースからビュニェ・テニエヘ行くのもよい。歴史的な風情が残る25あまりの村を見渡す絶景を楽しもう。

旅のヒント

フランスレイルパスを使うと、トラン・デ・メルヴェイユは無料で、トラン・デ・ピーニュ(プロヴァンス鉄道)は50%割引で乗車できる。